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株式会社 市川ビル 代表取締役社長 田平様

株式会社 市川ビル 代表取締役社長 田平様

千葉県市川市のJR市川駅前にある市川ビルを経営する株式会社 市川ビル 代表取締役 田平和精 社長は、市川駅前を活気ある街にするために率先して活動を行なっています。常にテナントが満室状態にある人気のビル入口には、クイック・ヴィジョンが、集客力向上に貢献中です。今回は市川ビルを訪れて、田平社長のテナントビルにおける経営論を伺いました。

もくじ

市川ビルの概要

「テナントのため、地域のため」が結局、自分のためになる

クイック・ヴィジョンを導入してみて


市川ビルの概要

御社の概要を教えていただけますか。

当社は、もともと市川駅北口の再開発計画に則って1971年に設立された、再開発ビルの運営管理会社です。しかしヘレン・ケラーは三重苦、市川ビルは四重苦と苦笑するくらい、長い間、色々な問題を抱えていました。

 行政から頼まれて初代社長となった父(弁護士)は、法律問題には詳しいけれど、ビル経営の専門家ではありませんでした。100人を超える地権者を束ねる為に、高く借りて安く貸すという事態も受容れざるを得ませんでした。専門家だったら、出来ない事でした。

 当社に商業ビル管理のノウハウがなかった上に、旧地権者である株主の方々と利益相反関係にあったことも問題でした。オイルショックの後、日本経済にジワジワとボディブローが効いていた時代でもあり、上層階にテナントを誘致できず、開業2年後にダイエーさんに安い賃料で借りて頂く事もしました。

 そのような事情で、負の遺産を背負いこんでのスタートでしたから、立上りの収益構造が非常に悪くて、創業以来26年連続で赤字決算を余儀なくされました。

それほどの悪循環からどうやって脱却されたのですか?

改善の地味な努力を続ける中で経営は徐々に好転し、累損を一掃した頃に、進出後ずっと年間120〜130億円の売り上げを誇っていたダイエー市川店さんが平成4年に100億を、平成8年には90億を割ってからは毎年6億円ずつ売上を落とし始めました。核テナントの営業赤字転落・賃料減額・撤退を懸念して、テナントが赤字に転落する前に手を打たなければ、当社は倒産するとの危機感を持ちました。

 そのためには私が社長になって立て直すしかないと思い、当時勤めていた製鉄会社を辞めて、父死去後に経営を任せていた人に辞めて頂き、3代目社長に就任しました。それが平成12年のことです。

 社長就任後、経営方針をガラッと変えました。「テナントの繁栄なくして、ビル会社の繁栄なし」、「ビルオーナーはテナントをサポートする協力会社、言うなれば下請け」という考えの下、核テナント・中堅テナントさんが繁栄するための対策を次々に打ち出し実行しました。

それは、具体的にはどういう対策をされたんですか?

まずは賃貸借の契約を超えて、テナントのマーケティングをサポートすることで、ダイエーさんの売り上げ改善に協力しました。その結果、1年後には前年の売り上げを上回るようになり、回復が軌道に乗り始めました。テナントの営業コスト低減の為、省エネ、省コスト、効率化、ビルピカピカ、集客力向上、防災、ES向上等の施策に次々投資すると共に、
JR市川駅のすぐ横にある市川ビル

最近では万引き撲滅プロジェクトに力を入れて、商品管理ゲートや防犯カメラを導入し、従業員みんなで万引きを減らす努力をしています。その結果、万引きによるダイエーさんの商品ロスを活動開始前の1/4まで減らすことができました。この投資回収年数は1年ですよ。こんなに効率のいいプロジェクトはないでしょう。

 一方で不採算部門だった地下階を大改革しました。旧地権者さんの持ち分を買収して新テナントを誘致し、利益の出るフロアとしました。上層階もダイエーさんの規模縮小に対応して、地域生活者のご支持を頂けるテナントを誘致しました。
おかげさまで現在は、堅調な営業成績を上げられ、地域でも評価される企業となりました。

ちょっと信じられないくらいの改善ぶりですが、どうしたらそんなことができるんですか?

かつて私が勤めていた製造業は、変動為替レートの下で海外企業と凌ぎを削っていますが、規制に守られた内需企業は、まだ無駄が多かった。そうした無駄を徹底的に無くして、効率的な企業体質にしたんです。高度成長時代の夢から醒めず、家賃収入だけあればいい、テナントが撤退したら別のテナントが入ればいいという考えでは、現在のテナントビル経営は立ち行きません。

 賃料は下げませんが、効果的な投資でテナントさんにも儲けて頂く事が大切です。やはりテナントとのwin-winの信頼関係を築くことが肝要で、小手先で対応せずに本質的な原因にメスを入れて改善することでテナントの収益構造まで改善し、テナントさんから厚い信頼を得ています。

 私は現在、心身共に健康で、経営には常に危機感をもって取り組んでいます。今居る社員はみんな、私と共に危機感を共有し、ビルを良くするために真剣に働いて頂いており、私にとっては家族同様、大切な存在です。

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「テナントのため、地域のため」が結局、自分のためになる

一般論として、地域の発展無くして地域の商業施設の発展はないと考えています。
改善改革が進捗する中で、ビル内テナントの業績が良くなっていることは積極的にアピールしないと地域周辺には伝わらないことが分かったので、平成13年からビル内の情報をまとめたIDP(市川ディベロップメント・プロジェクト)新聞を発行しています。

「テナントのため、地域のため」が結局、自分のためになる  最初は社長の道楽だと思われていましたが、今ではその意義を皆さんが理解してくれています。A0版を目抜き通りに貼り出したところ、見て下さる方がウチのビルのファンになってくれました。一方で、この新聞がビル内で勤務している500人の従業員のモチベーション維持に役立ってくれることも分かりました。

つまり、ビルの取り組みが新聞によってビル内全員に浸透する、ということですか?

そうなんです。一方で当社は、産学官民連携の地域活動にも積極的に参加していますよ。私は現在、千葉県の玄関口として、風格・賑わい・活気溢れる街づくりを進める「元気!市川会」の代表と「リバリューション市川」の事務局長を務めています。
 街づくり組織は、補助金の申請や陳情をする程度のところも多いんですが、我々は違います。パブリックコメントをまとめたり、方向性を打ち出して反対意見を唱える方を説得したり、積極的に活動すると、行政も一緒に動いてくれるんですよ。

我々は口先だけじゃなく、お金も出して、官民協働で駅広シェルター、防犯カメラ、啓発放送設備、駐輪場等を建設して来ました。
 バス会社やタクシー会社、近隣の商店街なども協力して頂き、機能や美観維持のための費用を捻出したり、年末のLEDイルミネーションも実現しています。

 また4年前から駅周辺地域に防犯カメラを30数台設置し続けており、地域の犯罪件数も減少中です。市川の駅前は、すごくいい街に成長中です。
やはりビジネスは「風が吹けば桶屋が儲かる」の論理で、気長に粘り強く進める事が大切です。

話をビル内の話題に戻しますが、その他に行なったテナントさんへの支援策はありますか?

平成19年に耐震補強工事を行ないましたが、これも自分の為だけでなくテナントさんへの支援の一環とも言えます。

株式会社 市川ビル 代表取締役社長 田平様 当初は、ビルが地震で倒壊しても、2、3年建て直すためにビジネスを休めばいいと考えていました。しかしそれでは、テナントさんがビジネスチャンスを失う。社員が路頭に迷う。お客様に迷惑がかかる。そんなことがあってはならないんです。勿論、地震襲来時にお客様の命を守る事も大切です。安全、安心なビル環境は、今や必要条件です。

しかしこれだけのビルとなると、補強工事は大変な費用がかかるのではないですか?

建設会社に最初に相談した時には、補強に12億円かかると言われました。ところが有料診断してもらったら、実際にはけっこう強い構造で、1階のピロティのところの柱だけ補強すればいいことが分かったんです。結局、2ヶ月の工期で1億円以下で出来ました。これは実際に費用をかけて診断してもらわなければ分からなかったことです。

 世のため人のためが、最後には自分のためになることが分かりますよ。地域密着企業なら地域が良くならなければ、自分も良くならないんですから。

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クイック・ヴィジョンを導入してみて

クイック・ヴィジョンを導入した理由をお聞かせ下さい。

元々、こうしたスクロールサインは海外で見かけていて知っていましたが、お話を聞いて、これはいい道具だと思って、すぐに導入しましたよ。
 クイック・ヴィジョンで上層階に集客すると、シャワー効果からビル全体が賑わうことになりますし、管理費とは別に広告費用を頂けるので、ウチも利益につながります。それに、お宅は精密機械の分野ではかなりの実績がありますものね。

―ありがとうございます。クイック・ヴィジョンは自社で独自に開発した商品です。そもそも弊社がフランチャイズで飲食業などに事業拡大した際に集客のために開発した商品で、売ろうと思って開発した商品ではないんです。そのため品質を最優先し、すべてに入念な作りを貫いています(クイック・ヴィジョン 青木)

市川ビルは、前面の外壁に大型のLEDビジョンも設置されていますよね。

駅前のロータリーを歩く人にアピールするのはLEDビジョン、ビル前を歩く人にはクイック・ヴィジョンというように役割を区別して使い分けて利用しています。

 クイック・ヴィジョンは、本当に映像が鮮明でいいですね。実は入り口の外壁にはプラズマディスプレイも使っていますが、消費電力が大きい割に昼間は見えにくいので、夜しか機能を発揮できていません。

―クイック・ヴィジョンはバックライトにも蛍光灯を使っていますので、消費電力はそうしたディスプレイの5分の1です。とてもエコな商品でもあるんですよ。

1台目は10階のフィットネスクラブさんが専用で使いたいと要望されたので、現在は2台目を導入しました。

 1台目は10階のフィットネスクラブさんが専用で使いたいと要望されたので、現在は2台目を導入しました。新しく入ったテナントさんへのサービスにも活用しています。

今後もテナントさんへのサポートを続けて、お互いが利益を生み出しあうwin-winの関係を維持していきますよ。

―クイック・ヴィジョンをご活用いただくと共に、これからも活気ある街づくりを広めて下さい。

―本日はお忙しいところ、ありがとうございました。


※ 株式会社 市川ビルのWebサイト
※ 取材日時 2009年12月
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